住宅トラブルが一番少ないのはどの物件種別?

人生の中でも大きな決断である住まいの購入。せっかく選んで買った住まいですから、後でトラブルが起こることのないようにしたいものです。 住宅紛争処理センターの統計によると、2023年4月1日~2024年3月31日までの相談件数の中でトラブルが多かった住宅種別は、「戸建注文」が67.0%と最も多く、次いで「戸建分譲」、「共同分譲」の順となっています。分譲住宅が注文住宅(戸建)に比べ圧倒的にトラブルが少ないということが統計的に示されていますが、特に初めて家を購入される際にはイメージをつかみやすかったり、完成後の建物を確認して購入するパターンが多い為トラブルが少ないと言えるでしょう。

住宅紛争処理支援センターによる紛争処理住宅種別
「住宅相談統計年報 2024」より https://www.chord.or.jp/documents/tokei/soudan_siryou_web/2024/NP2024_web.pdf

住宅トラブル相談件数


トラブルに多い内容とは

住宅紛争処理支援センター2023年4月1日~2024年3月31日の集計によると紛争処理の争点になった主な不具合事象は以下のとおりです。

主な不具合事象(戸建住宅)
  1. 基礎・外壁のひび割れ 32.7%
  2. 床・開口部・建具の変形 20.6%
  3. 床・内壁の汚れ 14.5%
  4. 外壁、屋根、開口部・建具の雨漏り 14.2%
  5. 内壁・床のはがれ 10.3%
  6. 開口部・建具、設備機器の作動不良 7.6%

主な不具合事象(共同住宅)
  1. 外壁、内壁、床のはがれ 17.8%
  2. 外壁、内壁、床のひび割れ 17.5%
  3. 床、内壁の変形 13.7%
  4. 床・開口部・建具の遮音不良 11.7%
  5. 床・内壁の汚れ 10.9%
  6. 外壁、屋根の雨漏り 9.0%

争点になった主な不具合事象は、戸建住宅、共同住宅ともに「ひび割れ」が多いようで、施工段階での管理の甘さが考えられます。他にもトラブルの原因となる背景には設計段階でのミスコミュニケーションなども考えられます。これから住まいの購入などを考えられている方は是非これらのデータを参考に建物などのチェックをおすすめします。

住宅紛争処理センターとは

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターのことで、住宅品質確保法に基づき2000年に国土交通大臣より「住宅紛争処理支援センター」の指定を受けた国土交通省の所管する公益法人です。住宅政策の推進の一翼を担い、「住宅品質確保法」、「住宅瑕疵担保履行法」に基づき、消費者の利益の保護や住宅紛争の迅速、適正な解決を図るための「事前相談」「住宅相談」「助言」また必要があれば「地元の審査会(全国52の弁護士会が設置した「住宅紛争審査会」)へ紹介」、「住宅紛争処理への支援」等幅広い業務を行っています。また、紛争処理業務の実施に必要な費用の助成、紛争処理に関する各種情報の収集・提供等、さまざまな支援業務を行っています。(財団HPより https://www.chord.or.jp/)