気になる最新『省エネ』設備事情

太陽光発電ソーラーパネル画像

少しでも生活費を安く済ませたい、というのは誰しも思うもの。中でも絶対に無くすことのできない光熱費については、少しでも省エネで安くしたいですよね。経済産業省 資源エネルギー庁「エネルギー白書2013」による家庭の用途別エネルギー消費(2011年度調査結果)は下記のとおりです。

家庭の用途別エネルギー消費

これを見ると「動力・照明他」「給湯」「暖房」「厨房」「冷房」の順にエネルギー消費が多いことがわかりますが、給湯器や暖房機がより多くのエネルギー消費を占めていることがわかります。ちなみに電気だけを見ると、冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンで約4割を占めるそうです。これらのエネルギー消費量の多い機器において、適切に対策を行うことが、省エネルギー効果を高めるポイントとなります。また、単に省エネするだけでなく、自宅で電気を作るという仕組みも今後どんどん広がっていきそうです。

ここでは、そうした住宅の最新省エネ設備にはどのようなものがあるかについてご紹介します。


太陽光発電システム

1、太陽光発電システムとは

太陽光発電ソーラーパネル画像太陽光発電は、もっともメジャーな省エネ設備なのではないでしょうか。太陽電池を用いて、太陽光のエネルギーを直接電気に変換する発電方法です。石油や石炭など、諸外国から輸入する化石燃料には限りがありますが、太陽光エネルギーは、巨大かつ枯渇することのないエネルギー資源です。それだけでなく、発電の際に二酸化炭素(CO2)を一切排出することもないクリーンなエネルギーであることも特徴です。そのほか、日射量さえ確保できれば設置場所を選ばないことや、メンテナンスが簡単なことなどのメリットもあります。
近年、エネルギー問題への関心の高まりから、太陽光発電システムの設置率が増加しています。

住宅用の太陽光発電システムは、電力会社の配電線とつながっているものが一般的です。雨やくもりの日、夜間など発電が足りない時は電力会社の電気を使うことができ(買電)、逆に発電電力が消費電力を上回った場合は、電力会社へ送電して電気を買い取ってもらうことができます(売電)。

昼は太陽光で発電、使用。余った電気は売電。夜は電力会社から買電
その他、光熱費を最大で年間80%削減可、災害時にも使用可、などのメリットもあります。オール電化とも組み合わせると、更にお得になります。

『電気+都市ガス』より『太陽光発電+オール電化』の方が約80%エネルギー削減できる

2. 価格相場は?

設置の相場は、工事費込みで1kwあたり41万円が目安。業者から見積もりを取る場合には検討の参考にしましょう。また、目先の設置料金の安さだけを見ず、業者による技術や使用部材の違い、アフターフォローの内容などもよく確認してみてください。

3. 設置の際に注意すべきことは?

初期費用以外に注目したいのが、システムの発電量です。提示された価格・プランでどのくらい発電できるのか、1kwあたりに換算した金額が同じだとしても、発電量が多いプランの方が毎月の電気代は安くなる場合があります。詳細なシミュレーションを出してもらい、長期的に見てお得なプランを選びましょう。
太陽光発電はそれぞれの家や環境に合わせたオーダーメイドですので、予算に合わせて設計をお願いすることができます。長期間使用するものになるので、業者とよく相談し、優先順位を見極めて進めましょう。

4.メーカーごとの違いや特徴は?

主なメーカーは下記の通りです。

  • 東芝
    サンパワー社(アメリカ)のパネルを使用しています。太陽光を遮る障害となる電極は通常、表面にあるのですが、それを全て裏面に設計する「バックコンタクト方式」をとっています。これにより、発電効率は世界No.1といわれています。
  • シャープ
    東芝と同じく、サンパワー社のパネルを導入しました。世界に先駆け太陽電池を開発したため、国内シェアNo.1を誇っています。
  • パナソニック
    初期費用は他社と比べて高価ながら、発電量が多いため、同じ面積でも効率よく発電することができます。高温による電荷のロスを低減するパネル構造で、サンパワー社に迫る発電効率の良さです。
  • 三菱電機
    変換効率が最も高く、限られた狭いスペースで効率よく発電したい場合に最適です。
  • 京セラ
    1枚の大きさが最も小さく、複雑な屋根の形状にも収まりやすいのが特徴です
  • ソーラーフロンティア
    高温や影など、様々な気象条件の影響を受けにくいCIS太陽電池です。実際に発電する「実発電量」が多く、全国各地で標準発電量を上回る実績を出しています。

蓄電池

1、蓄電池とは

蓄電池イラスト

太陽光発電システムと組み合わせることによりメリットを増す蓄電池。電気を蓄えておき、必要な時に必要な分だけ使ったり、余った分は売電または蓄電池に充電したりできます。「電気を作る→貯める→使う」という流れで、家庭内のエネルギーコントロールが可能となり、近年登場した「スマートハウス」の軸となるシステムともいえます。

家庭用蓄電池には家庭の電力に放電できる容量の大きい定置型のほか、コンセントで充放電するレジャーや防災時に持ち運びできる容量の小さいポータブルタイプもあります。現在、一般的に普及している家庭用蓄電池は定置型が主流です。

2. 電池の種類と特徴は?

  • リチウムイオン蓄電池
    家庭用蓄電池として多く普及しているのが、このリチウムイオン蓄電池です。プラスとマイナスの電極間をリチウムイオンが移動することで充電・放電をします。他の電池と比べ軽くて大きな電力を持ち、継ぎ足し充電に向いているという特徴を持っています。携帯電話やパソコンのバッテリーにも使われています。
  • 鉛蓄電池
    産業用機器のバックアップ電源や自動車のバッテリーなどに使われることの多い鉛蓄電池。電極に鉛を用いています。重くて大きく、高い電圧を使用することができますが、継ぎ足し充電の繰り返しにより劣化するデメリットもあります。
  • ニッケル・水素電池
    電極に水酸化ニッケルなどのニッケル酸化化合物と、水素または水素化合物を使用しています。繰り返し充電して使える乾電池「エネループ」が、このニッケル・水素電池です。デジタルカメラやポータブル音楽プレイヤー、ハイブリットカーのバッテリーとして一般家庭に広く普及しています。

3. 蓄電池のメリットとは?

蓄電池単体では、経済的メリットを得ることはできません。太陽光発電との組み合わせにより、メリットを発揮するのが特徴です。太陽光発電を利用する場合、通常夜間は電力会社から電気を買い取る必要がありますが、蓄電池があればその必要も無くなります。また、太陽光発電の売電量をアップさせることができる場合もあります。更に、本質的なメリットとしては、災害時などの非常用電源として使えるということも大きいでしょう。そのほか、電力需要のピークである13〜16時を避けて電気を使用するピークシフトに貢献できるということも挙げられます。

蓄電使用とピークシフト

そしてチェックしておきたいのが、国や自治体の補助金制度です。これについては毎年少しずつ内容が変わりますので、ここでは平成29年度4月の情報に基づいてご紹介します。 東京都に関しては、太陽光発電システムを同時期に設置する場合に限り、補助金が支給されます。

■補助金額

以下3パターンの中で、最も安いものが適用されます。

  • 機器費の1/6
  • 上限40,000円/kwh
  • 上限240,000円/戸

満額で24万円ということになりますが、ほとんどの場合、満額24万円が適用されることとなるでしょう。

■対象者

補助金の支給対象条件は下記の通りです。

  • 都内の住宅に新規設置されたもので、かつ助成対象機器であること
  • 助成対象機器の設置に係る領収書の日付が定められた期間内であること
  • 住宅の住居用に使用されていること
  • 太陽光発電システムと同時購入&設置

4. 蓄電池のデメリットとは?

蓄電池の最大のデメリットは高コストであることです。現在注目されているのは、小型でエネルギー密度も高く、寿命も長いリチウムイオン蓄電池ですが、初期費用は安価ではありません。また、寿命が長いといってもいずれは交換が必要となってしまいます。
製品によって貯められる容量も使える電気量も異なります。蓄電池の設定を確認し、貯める、使う、を上手にコントロールしていく必要があります。

また、蓄電池を設置するスペースの問題もあります。定置型蓄電池のサイズの目安は、幅100cm 奥行30cm 高さ120cmくらいと大きく、高温や低温になりすぎず、結露しない場所であることが必要です。

エネファーム

1. エネファームとは

エネファームとは「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」のニックネームであり、自宅で家庭用ガスを使って電気とお湯を作るシステムのことです。ガスに含まれる水素と酸素の化学反応により発電し、その排熱を利用して給湯も行います。

エネファームの仕組み

2. エネファームのメリットは?

高効率、かつ省エネにもなるため、電気代の削減ができます。他にも、エネファームを設置している住宅専用のガス料金優待プランがあったり、購入の際に補助金が受けられたり、金銭的なメリットが大きいといえます。

平成29年4月現在の補助制度は下記のとおりです。

【平成29年度 家庭用燃料電池システム導入支援事業 全体概要】

■補助金の額(定額)
  • 固体高分子形燃料電池(PEFC)
    補助対象経費基準価格111万円以下・・・11万円
    基準価格を上回り裾切価格127万円以下・・・5万円
  • 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
    補助対象経費基準価格146万円以下・・・16万円
    基準価格を上回り裾切価格157万円以下・・・8万円
※この基準価格や裾切価格というのは、補助対象経費の大小によって補助額を調整するために国が定めているものです。基本的な額として定められてはいるのですが、システムの仕様や燃料種別(都市ガス、LPガス)などによってこの価格がスライド変動します。エネファームの自律的普及を目指すため補助対象経費が高くなればなるほど、補助額が減少するように調整されています。
■追加補助額
建物区分:既築・・・+3万円
燃料種類:LPガス・・・+3万円
システム仕様:寒冷地仕様・・・+3万円
※裾切価格以下で販売された機械のみ対象
※重複加算可能)
■募集期間
平成29年4月7日(金)~平成30年2月16日(金)17時(一般社団法人燃料電池普及促進協会)必着
■補助事業完了報告書提出期限
補助事業完了日(取得年月日)から起算して30日以内または下記のいずれか早い日
平成30年2月28日(水)17時(FCA必着)
■補助対象システムの使用開始期限
平成30年5月6日(日)
■主な補助要件
補助対象エネファームを導入し、6年間以上継続して使用できるなど。

また、発電時に二酸化炭素や有毒ガスを排出せず、送電ロスもほとんど無いため、クリーンで環境に優しい発電システムでもあります。

エネファームは電気を作る場所が使う場所だからロスがない

3. エネファームのデメリットは?

補助金制度があるものの、製品価格自体が高いことがまず一番のハードルといえるでしょう。そのため、電気代を削減できたとしてもその費用対効果に満足がいかない場合もあるかもしれません。太陽光発電と異なり、余剰電力を電力会社に売電することができないこともデメリットです。また、ガス自体の輸入価格にガス料金が左右されてしまうのも不安要素です。

4. メーカーごとの違いや特徴、価格相場は?

エネファームの費用は、200~250万円が相場。主なメーカーは下記の通りです。

  • パナソニック
    パナソニックは東京ガスとエネファームの共同開発を行っており、現在東京ガスで扱っているエネファームはパナソニック製品です。2017年4月には、LPガスに対応したほぼ日本全国で使える新製品を販売開始しました。希望小売価格は、燃料電池ユニットと貯湯ユニットとの組み合わせで約150〜170万円。
  • アイシン精機
    アイシン精機は大阪ガス、京セラ、長府製作所、トヨタ自動車とエネファームの共同開発を行い、「エネファームtype S」を開発しました。「エネファームtype S」は世界最高水準の発電効率を誇り、サイズが小さいことも特徴です。希望小売価格は、燃料電池ユニットと給湯暖房との組み合わせで約200万円。

最近では、製品価格相場が少しずつ下がりつつあり、停電時も自立運転して利用できる製品が出てくるなど、エネファーム自体がまだ発展途上の段階です。今後ますます改良され、より身近なものとなるかもしれません。現段階では、設置費用と、設置後の月々の光熱費とのバランスをシミュレーションし、自宅の場合はお得かどうかをよく事前に検討しましょう。

電気自動車+EV充電器

電気自動車の活用方法

電気自動車は、EV充電器と組み合わせることで蓄電システムとして利用できるものがあります。太陽光発電システム、EV、電力会社からの電力という3つの電力を、少ない場合は補ったり、過剰な場合は売電したりすることで、トータルの電気代を減らすことができるという仕組みです。また、災害時や停電時などに非常電源として使うことができる場合もあります。 設置の際は国や自治体からの補助金制度が利用できる場合もあるため、今後電気自動車の普及とともに徐々に広まっていくでしょう。

HEMS(ヘムス)

1. HEMS(ヘムス)とは

HEMSとは、「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」の略。家電や電気設備とつなぎ、家庭で使用するガスや電力などの利用状況をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりするシステムです。これにより、エネルギー消費量を最適化してくれるため、無駄を無くし省エネに役立ちます。太陽光発電システムや蓄電池と連係させれば、省エネ効果は更にアップします。

2. HEMSの仕組みとメリットは?

HEMSは、電気の使用量を測る機械を配電盤等に設置し、インターネットで情報を共有するという仕組みです。自宅の電力使用データをコンセント単位で確認することができるので、無駄が一目で分かり、省エネ意識が高まります。更には、家電を遠隔操作したり、自動制御したりできるため、実質的な電気代の節約にも繋がります。

HEMSの仕組み

3. HEMSとスマートハウス、ZEH(ゼッチ)

最近、「スマートハウス」という言葉をよく耳にするようになりました。スマートハウスとは、ITを利用して家庭内のエネルギー消費を最適化するよう制御された住宅のことをいいます。具体的には、太陽光発電システム、蓄電池、HEMSが最低限あり、これらにより空調、家電、給湯機器などをコントロールする住宅のことです。
一方、ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、家庭での年間エネルギー消費量をおおむねゼロ以下にする住宅のことをいいます。具体的には、高い遮断性の建物でエアコンの使用量を減らしたり、高効率なHEMSなどを活用したりして、エネルギー消費量を減らした分、太陽光発電や燃料電池などによる電気を使うことでほぼゼロにする、ということです。

HEMSに接続し遠隔操作などを行うためには「ECHONET Lite」という規格に対応した電化製品でなければなりませんので、導入を検討される際はご注意を。 国は、これら省エネ住宅の普及を目指しており、国や自治体からは補助金が受けられる場合もあります。
こうした設備が備えられた住宅の強みは、なんといっても災害時に自宅で発電できることといえるでしょう。3.11の際の計画停電や節電、また電力自由化を機に、エネルギー問題への関心も高まってきています。無駄なエネルギー消費を減らし、自宅で使う電気は自宅で作るという仕組みが定着すれば、地球環境への貢献にもなります。

4. メーカーごとの違いや特徴、価格相場は?

HEMSは単体での導入よりも、太陽光発電、蓄電池、スマートハウスなどとの併用により省エネ威力を最大限発揮します。唯一のデメリットとしては、それらを設置する費用の高額さといえるのではないでしょうか。また、メーカーごとに機能自体に大きな差はなさそうです。ただ、商品価格は3〜30万円と価格差は大きく、「ECHONET Lite」に対応した家電も現在では限られているため、急ぎでない場合はもう少し待って導入を検討されたほうがよいかもしれません。

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