コンクリート打放し

コンクリート打放し(こんくりーとうちっぱなし)とは、生コンクリートを木材で組み立てられた型枠に流し込み、固まったコンクリート面に手を加えず、打ち上がったそのままの状態を仕上げとする手法のことをいいます。
打放コンクリートや単純に打放しとも表記されます。
仕上げ面に割れ、ジャンカ(骨材が見える状態)、汚れ、凹凸面が出ないよう型枠の精度を良くし密実なコンクリートを打つために、突固めやバイブレーター等で十分振動を与え、また鉄筋保護のためにかぶりを増すなどの仕上げがしてあります。

コーポラティブハウス

コーポラティブハウス(こーぽらてぃぶはうす)とは、入居希望者たちが自主的に集まり、組合を結成し、土地取得から設計者、建設業者の手配まで全てを行う集合住宅のことをいいます。
1980年代に注目を集めました。このコーポラティブハウスはデベロッパーへの中間マージンや広告費が発生しないためマンションよりも低価格でマイホームを持て、注文住宅と同じ感覚で家を設計でき、入居者全員の話し合いのもとで家を設計するので、良質なコミュニティを醸成できることがメリットとしてあげられます。反対に、コーポラティブハウス最大のデメリットは「時間がかかる」ことです。参加者確定、土地探しなどを全て入居予定者が行うこともあり、一般的には4、5年は必要というケースが多いようです。

公図

公図(こうず)とは、登記所に備え付けられている旧土地台帳法所定の土地台帳附属地図のことをいいます。
不動産登記法17条の「地図に準ずる図面」です。
公図の多くは、明治時代の地租改正に伴い作成されたもので、現況と大きく異なる場合があります。なぜなら明治時代の技術では正確な測量が難しく、現況とは一致しないことがあります。
ただし、公図の他に土地の位置や形状を示す公的な資料がない地域では、土地の大まかな位置や形状を明らかにできる点で資料価値があるため、現在も利用されています。

公道

公道(こうどう)とは、役所が作ったり、指定したりして、役所(国や都道府県・市町村)が維持管理をしている道路のことをいいます。
区別されるもので私道(しどう)があり、公道以外の個人・法人などが所有・維持管理している道路のことをいいます。
公道には「道路交通法」が適用されます。建築基準法では、「接道義務」または「接道要件」があり、住宅などを建てる際にはその敷地が「道路に2m以上」接していなければなりません。
他にも、延べ面積の大きい建物や共同住宅、店舗、工場等は建築基準法だけでなく各都道府県で定められた条例にも従わなければなりません。

公開空地

公開空地(こうかいくうち)とは、建築基準法に基づく総合設計制度(正式には「敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例制度」という)の適用により、ビルやマンションなどの開発敷地内に設けられた空地のことをいいます。
公開空地の有効面積に応じて、容積率の割り増しや高さ制限の緩和が受けられます。
公開空地の条件には

  • 一般に開放され、歩行者が自由に通行したり利用したりできること
  • 塀などで道路側から遮らず、周辺環境の向上に努めること
  • 営利目的で長期間・常設的に占有できないこと(イベントなどの一時利用は可)
  • などがあります。

勾配天井

勾配天井(こうばいてんじょう)とは、建築上の制限により屋根の形状が部屋の中に出ている傾きのある天井のことをいいます。つまり勾配が付いた天井のことです。
特殊な目的のために勾配をつけ、傾きのある天井にする場合もあります。例えば浴室の天井は、水滴が流れ落ちるのを防ぐために、天井面を伝わって流れるように勾配がなされています。
また、天井の低い空間でも圧迫感を軽減する事が出来るなどのメリットもあります。

合筆

合筆(ごうひつ)とは、登記簿上で隣接している複数の区画(二筆以上)の土地を合わせて一区画(一筆)の土地とすることをいいます。
原則として、その土地の所有者(登記名義人)は自由に申請してこれを行うことができます。
合筆された土地の地番は合筆前の最も若い地番(首位の地番)となり、その他の土地の登記記録は閉鎖されます。また、合筆した土地同士の筆界線が抹消されるなど公図も訂正されます。
所有者が異なる土地、地目や権利の内容が異なる場合などは合筆できません。
通常はそれぞれの土地ごとに登記されており、権利証もその土地ごとに存在します。
土地の管理や手続き上で不都合が生じてしまうことを避けるため、このような措置をとることができるようになっています。
反対に1つの区画(筆)の土地をいくつかに分けることを「分筆」といいます。

固定資産税

固定資産税(こていしさんぜい)とは、地方税(市町村税)で1月1日時点の固定資産の所有者(固定資産税課税台帳に登録されている人)に課税される税金のことをいいます。
固定資産とは、「土地」「家屋」「償却資産」の3種類で、具体的には田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地や、住宅、店舗、工場、倉庫その他の建物、償却資産を指します。
固定資産税はその資産価値(固定資産税評価額)を課税標準として税額を算出します。
税額は
土地、家屋、償却資産の課税標準額合計×1.4%
となります。

住宅のタイプや規模により、さまざまな軽減措置があります。

軽減措置その他【例】

  • 新築された住宅が一定の次の床面積要件等を満たす場合は、新たに課税される年度から一定の期間、固定資産税額(家屋分)が1/2に減額されます。
  • 小規模住宅用地では、住宅1戸につき200m2までの部分の固定資産税額が1/6に減額されます。

土地、建物それぞれに軽減措置が適用される場合、特例の期限が切れた際には税額が元の金額に上がるので注意が必要です。
固定資産税は不動産を所有し続ける限り発生するため、住まい購入の際などはランニングコストに含めて考慮する必要があります。

固定資産税評価額

固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)とは、固定資産税を賦課するための基準となる評価額のことをいいます。
市町村の税務課(東京都23区では都税事務所)にある固定資産課税台帳に登録してある土地や建物の評価額を指します。
固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて固定資産を評価し市町村が決定します。
評価額は、土地については時価の60~70%(公示価格の70%)、建物については建築費の50~70%ぐらいです。
評価額は原則として3年ごとに見直し、評価替えが行われます。

固定資産税課税標準額

固定資産税課税標準額(こていしさんぜいかぜいひょうじゅんがく)とは、固定資産税の課税対象金額のことをいいます。
固定資産税と都市計画税には、土地の条件によって固定資産税評価額を緩和する一定の負担調整や軽減措置があります。
基礎になる固定資産税評価額に、こうした操作を加えて割り出したものが「固定資産税課税標準額」です。

住宅用地に対する固定資産税課税標準額を減額する特例措置
土地の固定資産税評価額は3年に1度評価替えが行なわれます。しかし、固定資産税評価額が急激に上昇した場合に納税することが困難になることを避けるために、固定資産税課税標準額はわずかな上昇率にとどめるという措置を講じています。(この上昇率を負担調整率といいます。)

このような措置があるため、通常は評価額よりも課税標準額のほうが低くなっています。
不動産取得税や登録免許税、相続税の計算では固定資産税課税標準額ではなく、固定資産税評価額を使って計算します。少し複雑なため注意が必要です。

固定金利

固定金利(こていきんり)とは、住宅ローンなどのお金を借りたときに元金に加えて支払う利子、金利の種類で返済期間中は金利が変わらないもののことをいいます。
フラット35などが代表例です。不動産用語集「フラット35」
「将来の返済額が万が一にも増えては困る」という場合には、固定金利型が安心です。
一般的に変動金利型に対して利息が高く見えますが、返済額増額のリスクを負わなくて済む安心料と考えることができます。

金利のもうひとつの種類に「変動金利」というものがあります。不動産用語集「変動金利」

小屋裏収納

小屋裏収納(こやうらしゅうのう)とは、屋根を設けた下部にある部屋の天井から屋根との間にできた空間を利用した収納のことをいいます。
建築基準法では、住宅の小屋裏に小屋裏収納やロフトなどの空間を設ける場合には「天井の高さが1.4m以下」で「下階の床面積の1/2未満、及び固定階段(はしご)を設けない」などの条件をクリアすれば、床面積及び階数には算入されません。
屋根のすぐ下にあたり外気温に左右されやすく環境条件がよくないため、屋根面や外壁面に断熱材を入れる方法もあります。

工務店

工務店(こうむてん)とは、家作りをする際に住宅の工事がスムーズに行えるように、主に職人(トビ、大工、左官、板金、電気、水道その他)などの手配を行うなど、専門工事業者をマネジメントする業者のことをいいます。
設計から職人のマネジメントまで住宅建築に関するすべてを取り仕切っていたのが棟梁(大工の親方)でしたが、この大工の棟梁が発展した形が工務店です。
工務店は、地域密着で営業していることが多く融通がきき、アフターケアをきめ細かく受けられるメリットがあります。

工業地域

工業地域(こうぎょうちいき)とは、都市計画法による用途地域の一種で、主に工業の業務の利便の増進を図るための用途地域のことをいいます。
危険性や環境悪化のおそれが大きい工場も建築できます。パチンコ屋、カラオケボックスなど小規模な娯楽施設は建てられますが、ホテル、キャバレー、劇場などの施設は建築は出来ません。また、住宅は建てられますが、学校や病院などは建てることができません。

工業地域の建ぺい率と容積率

建ぺい率
50・60%
容積率
100~400%

工場労働者の寮・社宅などが中心で、一般的な住宅供給は少ないといえるでしょう。

工業専用地域

工業専用地域(こうぎょうせんようちいき)とは、都市計画法による用途地域の一種で、工業の業務の利便増進を図るための地域のことをいいます。
この地域では、基本的にどのような工場でも建てられますが、飲食店などの商業施設は規模にかかわらずほとんど建築することができません。娯楽施設もカラオケボックスを除き不可なものが多く、また学校や病院も建築できません。マンション、一戸建て、寮・社宅を問わず住宅の建築が一切禁止されている唯一の用途地域です。

工業専用地域の建ぺい率と容積率

建ぺい率
30~60%
容積率
100~400%

既存の工業地域で将来的に工業の増進を図る地域、臨海部の埋立地で土地利用計画が工業専用地等として評価されている区域、工業専用地として計画的に開発されることが確実な区域などが該当します。

構造設計

構造設計(こうぞうせっけい)とは、建築基準法に基づいて建物の「構造躯体(建築物の構造体)」を設計することをいいます。
構造設計者は地震などに対して建物が壊れないようにするための柱、梁の大きさや鉄筋の本数を決めたり、基礎の形式を決め、構造設計図を作成することが主な業務となります。
建築基準法に基づく構造設計はとても複雑であり、豊富な経験が必要になるため、構造設計を構造建築一級建築士が専門的に行っている場合が多くあります。

構造設計の主な業務

  1. 構造計画
    どんな材料を使って、どんな形にするのかを決める
  2. 構造計算
    ~荷重計算
    建物各部の重さを設定する
    ~外力計算
    自然現象などの力を計算する
    ~応力計算
    骨組の壊れ方を想定する
    ~断面算定
    強靱な骨組を決定する
  3. 構造図作成
    ~基本構造図の作成
    形が分かる図面を作成する
    ~構造詳細図の作成
    建築方法が分かる図面を作成する
高層住居誘導地区

高層住居誘導地区(こうそうじゅうきょゆうどうちく)とは、高層住宅の建設を誘導するために指定した地区のことをいいます。人口の空洞化が進んだ大都市地域に高層住宅を建設することにより、良好な都市環境を形成する目的で定められました。
第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域内で、400%か500%の容積率が指定されている地域を指します。
しかし、この地区に指定されると、建物の住宅部分が延べ面積の2/3以上ある場合、最高で600%まで容積率が引き上げられます。

高度利用地区

高度利用地区(こうどりようちく)とは、用途地域内の市街地で土地の合理的な高度利用を図るために、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置などを定めた地区のことをいいます。
都市計画により市町村が指定し、市街地再開発事業や住宅街区整備事業などは、この地区内で行われます。
道路を整備し、巨大で高層なビル群を建てて街を活性化するために、一定以下の敷地面積や一定以下の高さの建物の建築は認めない地区のことを指します。

高度地区

高度地区(こうどちく)とは、都市計画法による地域地区の一種で、用途地域内において市街地の環境の維持又は土地利用の増進を図るために建築物の高さの最高限度、又は最低限度が定められた地区のことをいいます。
高度地区で制限されるのは建築物の「高さ」のみであり、その他の制限は別の地域地区の指定によります。
また、高さについての規定は建築基準法によるもので他には、第一種・第二種低層住居専用地域内の高さの制限、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影による中高層建築物などの制限があります。
建築基準法によるものが全国共通の規定であるのに対し、「高度地区」の制限内容は自治体によって異なります。

地域による高度地区の制限【例】

東京都
原則として3種類(第1種高度地区、第2種高度地区、第3種高度地区)の最高限度高度地区(区部、市部共通)が定められています。また、いくつかの区では最低高度地区の制限も導入されています。
神奈川県
横浜市、川崎市をはじめ6市2町で高度地区の制限が導入されています。しかし、その内容はすべて異なっています。

高度地区に指定されている土地を購入する場合には、その土地の規定がどうなっているかをしっかり確認した上で建物の設計をすることが必要です。